wing jointからのお便り

オーダーの前に知ってもらいたいこと

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人間工学について

Human Factors

オーダーメイドはお客様との共同作業
オーダー前に少し知ってもらいたいこと。

■椅子の人間工学とは?

人間工学という言葉は、聞きなれない言葉かもしれません。

人間工学とは人間が可能な限り自然な動きや状態で使えるように物や環境を設計し、実際のデザインに活かす学問です。
また、人々が正しく効率的に動けるように周囲の人的・物的環境を整えて、事故・ミスを可能な限り少なくするための研究を含む工学と言われております。

wing jointでは、人間工学を通して椅子の快適な座り心地をご提案させて頂ければと思います。

初めに椅子をどのような用途でお選び頂くかをお考えください。例えば…
事務作業やお食事などを中心とする椅子とか?
ゆったりとリラックスしたい時のリビング椅子なのか?

その用途によって椅子の高さや傾斜が変化していき性別や体格の差などで、数値は変わってきます。
そのような、用途別に人間に与える角度を割り出した数値が下の図にあるような椅子の人間工学になります。

大きく分けると6項目に分ける事ができます。
ここで、オーダーメイドをご検討される前にご説明差し上げたいと思います。

Ⅰ型

椅座姿勢のうち作業を中心とする姿勢のための支持面で、作業中に腰部を支えて、姿勢を正しく保たせるが、
休息性には重点を置いていない。
座面は最も高く、背面は最も低い、上体の後傾、左右の回転、腕の運動についてはかなりの自由性が考えらている。

◇学校や工場などの作業用いすに適する。

Ⅱ型

軽作業を中心としたもの、作業中は腰部のみを支えるが、軽休息のときは胸部も支持する。
数値は、座面の高さが高めで、座面角度が床と水平に近く、座面と背もたれの角度が直角に近いのが特徴です。
座面の奥行きは浅く、結果として身体は起こし気味になります。
背もたれは低めの場合が多く、その場合背もたれの端部が肩甲骨にあたらないか注意が必要になります。

◇一般事務用いすなどに適する。

Ⅲ型

軽休息に軽作業が加わったものである。
腰部と胸部の支持が必要。このタイプでは作業姿勢をとるときは腰部の支持はなくなる。

◇食事用いす、会議用いすなどに適用する。

Ⅳ型

軽休息用で作業性は考慮されていない。

◇会議用いす、応接用いす等に適用する。

Ⅴ型

軽休息用で作業性は考慮されていない。座面と背面の開角が115°を越すと枕が欲しくなる。

◇会議用いす、応接用いす等に適用する。

Ⅵ型

休息の度合の要求が高い場合。座面と背面の開角120°を超える場合は頭もたれの枕と足掛けが必要になる。

◇ハイバックチェアーなどに適用する。

以上の6項目の数値を目安に椅子製作を進めていきますと、用途にあった座り心地がご提供できるかと思います。

そして、ここからは「良くない椅子のチェックポイント」を人間工学の視点からご紹介します。

1)肘掛けの高さは、高すぎても低すぎてもよくない。幅が広いと、これもまた肩こりや疲労の原因になる。
2)座面はある程度硬くて平らなものがよい。柔らかすぎたり、曲面のつよすぎるものは、ちょっと目にはよいが、掛けよいとはいえない。
3)座の奥行の深すぎるものは、背面を支持することができず、膝の裏側に圧力を受けるからよくない。
4)座が高すぎると、大腿部の裏側が圧迫されるから、血行障害をおこし、掛けごこちもわるくなる。
5)いすの背もたれは、腰推部、胸部、頭部がそれぞれ支持されるように設計されていなければならない。腰推の支持はとくに大切である。
6)肩の部分の支持は平面のほうがよい。曲面をつけすぎると窮屈で疲れやすい。

このような人間工学の数値も考慮しながら、お客様と一緒にオーダーメイドの楽しさを共有できたらと思います。

様々なイメージがあるかと思いますが、お客様のイメージをそのままお話しください。
僕というフィルターを通して人間工学を計算して理想のデザインと最高の座り心地をご提供させて頂ければ幸いです。

wing joint 吉澤

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